自己満足
「あーあ……寝ちゃったよ、この人」
人の膝を枕にしてすぅっと寝息を立て始めた銀時の、無造作な髪をふさりと撫でて新八はポツリと呟いた。
昼を幾分回ったけれど、それでもまだまだ陽は高い。
「まだやる事あるのに……」
取り込みっぱなしの洗濯物を視界に納め、小さなため息を一つ吐いた。
新八は膝の上の銀色の髪にそっと指を通す。
それは持ち主同様ふわりふわりと所在無く、けれど優しく肌を擽る。
緩やかに上下する呼吸の証。
穏やかな寝息。
一見して安らかなそれが、安息ではないのだと知っている。
安全な木陰を見つけ、束の間の休息をとる。
銀時の眠りはまるで手負いの獣のようだといつも思う。
もしも願いが叶うなら。
縋るようなこんな言葉を、きっと銀時は嫌いだろうと思いながらも願わずにはいられない。
叶うのなら、ただ一つでいい。
この人が、夢も見ないほど深く安らかに眠れる日がきますように。
そうして一時。
誰も、何も、今の眠りを邪魔しませんように。
☆
雰囲気ぶち壊しだったら申し訳ないのですが、これ二つ願っちゃってるよ新ちゃん、と割と後から気付いた記憶がございます(笑)
2015 6月補足 もんぺ