廃人です








ようやく三月一発目、でございます。
皆様こんにちは。
何か……何でしょうね。
自分が何をすればいいのかわからなくて毎日ぼんやり過ごしています。
定期的に駄目の波が襲ってきます。

坂田はそういう事を口には出さない人。
新八は察するまではいかなくても何かしら感じるものはあって。
そっと寄り添ってくれるのがいい。
「銀さんてホント、不器用ですよね」
「……お前も大概失礼だね」
「褒めてるんですけど?」
「辞書を引け」
「あはは」
クシャリと前髪を乱す手の平の温かさ。
伝わる熱に目頭が熱くなるのを新八はぎゅっと堪えた。
銀時の胸元に額を付けて、震える息をそっと吐く。
緩やかに髪を梳く指先。
それが器用な事など知っている。
できない振りをしているだけで。
本当は、なんだって一人でできてしまう人なのだ。
そんなことは、嫌というほど知っている。
器用なくせに、心だけが不器用で。
だから、こんな所にいてくれる。
自分たちの傍にいてくれる。
本当はきっと、とても遠い人。
「銀さんが、不器用でよかったです」
そうでなければ自分たちは出会えなかった。
「お前ねぇ……」
上向かされた視線の先、声音に反して見詰める色は優しい。
「そういう口は塞ぐしか、不器用な銀さんはやり方知んねぇんだけど?」
言いながらも、奪うでもなく声が近付く。
唇を擽る吐息に新八はちゅ、と自分から触れた。
「塞いでくれなきゃ僕の小言は治まりませんよ。だって銀さんだらしなさ過ぎですもん」
銀時は一瞬だけ驚いて、すぐに苦笑で眉を困らせた。
「そりゃ究極の二択だな」
「何でです?」
首を傾げる。
「俺は」
顎を掬った銀時がにやりと笑う。
「お前の小言聞くのも好きなんだよ」
そうして、反論を塞ぐように唇が重なった。
舌は緩く絡まって、やはり銀時は奪わない。
優しすぎる欲望に新八は精一杯手を伸ばす。
気付いた銀時が抱き込むように腕を回してくれた。
身体を包む温もりを感じながら、新八は銀時のための存在になりたいと強く心に願っていた。