090806
ぎゅっと抱き締められた耳元で、先生の微かなため息が聞こえる。
「お前があんまり無防備だから我慢の限界超えちまったじゃねぇの」
堪えるように抑えた声。
でも回した腕は離さないって言ってくれてるみたいに力強くて。
腰に、少し硬くなった先生のモノがあたってる。
それが嬉しいなんて……きっと僕は頭がおかしい。
「嫌です……」
「うん、しねぇから……だから心配すんな」
手の平が、安心させるように背中を優しく叩いてくれる。
でも先生は勘違いしてる。
僕は先生がすることの何一つ、嫌だと思ったことはない。
そう伝えたくて。
見た目はそうでもないのに、回してみると意外に大きな背中に腕を伸ばして首を振った。
「我慢されたら、嫌です……」
ああこれ、矛盾してるかも……。
でもいいや。
見上げたら、凄く珍しい、先生のぽかんとした顔があった。
こんなの見られるの、僕だけだったらいいな。
先生はいつも優しくて、強引な時だって気持ちを無視された事は一度もないけど。
時々少しもどかしいから。
「ちゃんと最後まで……して欲しい、です」
顔は勿論、身体中がストーブになったみたいに熱くなる。
きっと恥ずかしいくらい真っ赤になってるよね。
でもでも、先生とはちゃんと向き会いたい。
気持ちを誤魔化したりしたくない。
「ったくよ、お前はいっつも特攻隊だな」
さっきとは違うため息を一つ吐いた先生はもう一度僕をぎゅってして。
「そんな捨て身で攻撃されたら防御方法ねぇっつの」
ゆっくりと身体を傾けた。
「朝まで寝かす気ないけどいい?」
「わ、わかんない……です」
「んじゃ、新八が僕もう駄目……って言うまで、な」
「う……はい」
額を撫でて髪を梳かれると気持ち良過ぎて目を閉じたくなる。
意地悪言うくせに手の平はこんなに優しくて、好きな気持ちは募るばかり。
こうしてる今だけは、僕だけの坂田先生なんだと思うと嬉しくて。
すぐ傍にある首元にぎゅっとしがみ付いた。
抱き返してくれる腕は、やっぱり優しかった。
☆