流れ星
レンタカーで3Zデート。
窓の水滴を見ながら「流れ星みたいですね」って新八が言う。
「本物見たかった?」って聞くとちょっと考えて「別にいいかな」って。
なにそれって聞いたら「星を見るよりも先生と居たいです」だって。
外は土砂降りで。
折角レンタカー借りて遠出したのに予定はおじゃん。
SAの駐車場に止めたはいいけどあまりの降りに出る気にもなれなくて。
「ごめんな」って言ったら「何でですか」って笑う。
何で、なんて聞きたいのは俺の方。
何でそんなに楽しそうなのって。
俺、何にもしてやれてねぇのに。
情けないのは承知で聞き返したら新八はやっぱり笑った。
「さっき言ったじゃないですか、先生と居たいって。雨の日って何か世界に優しく閉じ込められてるみたいで僕安心するんですよ。そういう時に先生と二人で居られるのって、凄く倖せです」
雨の音は煩いくらいに耳を打つのに新八の声は鮮明に俺に届く。
周りにはそれこそ何百台って車があって。
傘さして人だって歩いてるのにどうしてか、俺達は怖いくらいに二人きりだ。
普通なら流石の俺でも控えるけども、今日は雨が赦してくれる気がしたから。
「駐車場だけど、キスしていいか?」って聞いたら「僕もして欲しいと思ってました」って可愛く笑うから倖せな気持ちになる。
今日は世界に二人きり。
だから俺達は、雨に隠れてキスをした。
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