萌えツボ







万事屋の玄関を開けてただいまと言う。
それにかえされる返事はない。
疲れて帰って来たのにそりゃないんじゃねぇのとやや落胆し、銀時は玄関で靴を脱ぐ。
ちらりと視界に入るのは新八の草履。
不在ではない、という事実にため息。
昨日の放蕩は今日の奉仕で清算されはしないのだろうか。
よっこらせという掛け声を、心の中とはいえ付けないと身体が持ち上がらない。
ズルズルと脚を引きずるように廊下を歩き新八の姿を探す。
台所、トイレ、風呂場。
居間を通って最後に和室。
襖を開いて、そこに探しモノを見つけると銀時の口元は緩む。
返事がなかった理由を見つけて安心をする。
脚を踏み入れて近づいても新八は気付かない。
傍で屈めば小さな寝息が聞こえる。
銀時は畳に腰を据え、膝を支えに頬杖をつく。
取り込んだ布団にのった頭から新八の全身を視線で辿った。
散る黒髪。
穏やかな寝息をたてる口元。
緩やかな首筋。
無防備な身体を通って袴の裾へ。
足袋の脱げた右足と、脱ぎかけの左足。
傍に落ちた片方だけの足袋はなんだかなまめかしい。
頬杖の上で、また一つため息をつく。
平和な新八の寝姿に、溜まっている疲れが溶けるように消えていくのは嘘じゃない。
けれど。
平和な新八の寝姿に、溜まっている疲れが欲情に変わっていくのも紛れもない事実。
起こしたくはないけれど、この感情を分け合えるのは新八だけで。
指先で髪に触れても新八はやはり気付かない。
はてさてどうしたものかと。
銀時は酷く幸せな気分で暫く新八の姿を眺めていた。



新八の素足が好きで。
踝とかキュって浮き上がってたりするともうたまらないんですよ。
なので靴下とか足袋とかは脱いでる方が好みなんですけども、完全な素足+脱げかけた足袋、とかのチラリズム的な素足もいいかもしれないなぁとふと思ったのです。
眠っている新八の、無防備な感じのチラリズムはいろんな意味で究極だと思います。
昼下がりの情事、危険!(笑)
平和な寝姿って倖せですよねー。