懐柔
100パーそれに当て嵌まるか、つったら一概には言えねぇわけだけども。
女子供は話が長い……ってのがまあ概ねの俺の持論。
得手不得手でいったら断然不得手の分類だったわけだけども、最近どうもね。
「銀さんあのね」
「銀ちゃんあのネ」
なんつって、その日あった事した事を逐一報告してくれる賑やかなガキ共にどういうわけか懐かれちまって。
右と左からピーチクパーチクやかましい事この上ない。
これが毎日続くのかと思うと正直うんざり……だと思ってたのにどうもこの頃雲行きが怪しい。
ジャンプ読みながら。
晩飯食いながら。
ピーチクとパーチクの報告聞かねーとどうにも一日が終んなくなっちまった俺がいるわけよ。
あいつらが、俺の居ないとこでなにやってたのかすげー気になる。
毎日続けてるうちに……なんて、こういうもんにも中毒性ってあんのかね。
まあ話の途中で最低三度は“聞いてんのか”って怒られちまう俺だけど。
ジャンプ読んでても飯食ってても実はお耳はダンボなのよ、ってね。
「銀さん僕ね」
「銀ちゃん私ネ」
今日も右と左から。
相も変わらず煩いけども、ピーチクパーチク楽しげな声は俺の心を満腹にする。
何でも屋なんて謳ってる万事屋稼業だけどもさ、どんだけ金積まれた依頼でもこれだけは勘弁な。
だってこいつら俺ンだから。
俺の魂の一部だから。
流石に自分の身は売れねぇからね。
ま、そういう事なんで。
これ以外のことなら大抵請け負うつもりなんで、今後とも『万事屋銀ちゃん』をご贔屓に。
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