弾丸ヒーロ







向日葵畑の黄色の中に新八の黒と神楽の橙。
眺めていたら気付いた二人がこちらを向いた。
「銀さーん」
「銀ちゃーん」
名を呼びながら手を振って、駆け寄ってくるのは向日葵よりも眩しい銀時の太陽。
見つけるのはいつも銀時の方が先。
けれど声をかける事を躊躇って、ただ見詰めてしまうのが常だった。
なのに子供らは必ず銀時に気付いてくれる。
「銀さんっ」
「銀ちゃんっ」
「のわっ」
胸の中、無邪気に飛び込む二人を受け止めきれず絡まりあって尻餅をつく。
「おめーらは鉄砲玉ですかってんだ……ったく」
「だって銀さんが居たんですもん」
「そーネ、私らは弾丸ヒーローアル!」
銀時の上でキラキラと、青空を背にして二人が笑う。
「なんだよ、銀さん的なのかよ」
「そうですよ、銀さんが居たら僕ら何処にだって飛んで行きますからね」
「外さないアルよ!」
愛しいのだけれど。
感情のまま動くには、些か年を取り過ぎた。
それを補って余りあるこの子らに、銀時はどれほど救われているのだろう。
「そりゃどうも……けど銀さんもう若くねーからよ」
汗だくの額をくしゃりと拭って二色の前髪を掻き混ぜる。
「お手柔らかに頼むわ」
苦笑混じりに呟けば、任せておけと楽し気に請け負う二人の腕がぎゅうっと銀時を抱き締めた。