別腹
数時間前には確かにあったのに。
ラップの外れた皿を前にして、新八はため息を一つ吐いた。
テーブルの横、正座をさせた二人に向き直る。
「銀さん、神楽ちゃん……このおむすびは明日の朝ご飯用だから食べちゃダメだって、僕言いましたよね?」
今日は依頼主がお礼にと持たせてくれた食事のおかげで炊いたご飯が余ってしまい、明日用事があって昼過ぎにしか出勤できない新八は丁度いいので余った分をおむすびにして朝食用にと準備しておいた。
やや大きめに握った塊が一人二個ずつ、計四個。
漬物を添え皿に並べてラップをして置いておいたそれが、帰り支度をしてさあ帰ろうという時に確認したら消えていた。
申し訳程度に一口分ほど残してある事にはたして意味があるのかどうか。
「明日の朝、ご飯がなくて困るのは自分達なんですよ?」
依頼主が礼に食べていけと用意してくれた食事はその場では食べきれず、余った分をタッパーに詰めて持たせてくれたほどの量だった。
帰る間に消化したからと帰宅後にまたそれを食べ、かなり腹を満たした銀時と神楽は「もう食べられない」という夢のようなセリフを吐いて食事を終えたのだ。
「二人とももうお腹いっぱいだって言ってたじゃないですか」
だから新八も朝食用だからと断ってはおいたがさほどの警戒はしていなかった。
「だってよぅ……」
「だってアル……」
口元に仲良く飯粒を一つずつつけた二人は一応の反省を見せてしゅんとしている。
「だって、なんですか?」
「「新八の握ったおむすびが美味しそうだったんだもん!」」
☆
なんてーか、デザートは別腹!みたいな事ですかね(笑)
私は結構余ったご飯でもおむすびにすると妙に美味しそうに見えて食べられちゃったりするんですよ。
だから新ちゃんが握ってくれたおむすびなんて美味しいに決まってる→銀さんや神楽ちゃんならお腹がはち切れそうでも目の前にあったら食っちまうに決まってるぜ!とふと思った食欲の秋なのでした(笑)
夜食ってとても魅惑的。
新ちゃんのお夜食って心も身体もほっこりしそうですよねv