飴玉
飴玉が右手と左手に一つずつ。
だから銀さんと神楽ちゃんにひとつずつ。
そうすると僕の分は残らないんだけど、2人が喜んでくれるなら別にいいかなって思う。
甘い物食べてる時の銀さんて本当に幸せそうな顔するなぁって見てたら目が合った。
「新八」
「何ですか?」
「今ならもれなく苺味だぜ?」
どうする?みたいな語尾のニュアンスに、最初は気付けなかったんだけど。
銀さんがニヤニヤするから言わんとする事がわかっちゃって、つい顔が赤くなる。
神楽ちゃんの居る前でこの人何言ってんの!?
「ちょっとぎ……」
「新八ィ、私だったらソーダ味アルよ」
って、神楽ちゃんんんんんん!?
「おいおい神楽、お前何言ってくれちゃってんの?新八の唇は銀さんのもんなんですけど」
銀さんがそう言うと神楽ちゃんはぶぅ、と不満そうに頬を膨らませた。
「私だって新八とチューしたいネ」
「ソーダ味は却下だ」
「ほっぺならいいアルか?」
「まぁ……なら挟んですっか?」
「マジでか!」
なんか、僕の意志に関係なく勝手に盛り上がってるんですけど。
「新八」
僕を呼ぶ二人の声が綺麗に重なる。
戸惑うけど、僕はそれを無視できない。
甘やかされるとどうしていいのかわからないのに。
間に座ると銀さんが横から僕を抱き締める。
神楽ちゃんの手が袖を掴んで、二人の顔が近付いた。
恥ずかしくて瞼を閉じると苺とソーダの甘い香りが強くなる。
頬に温もりが触れた後、耳が小さな声を拾う。
「新八、いつもありがとう」
閉じた瞼をぱっと開いて僕は思わず傍の二人の顔を見た。
☆