※これはフレーム版(イラスト付きはこちらからご覧いただけます)の方にUPしたいただきもののイラストに(私が勝手に)つけた文です。
そのイラストありきで書いた文なのでどうしようかと思ったのですが、折角なのでこちらにもUPしました。
普通の膝枕じゃなくて、正座した新八の脚の間にすぽっと嵌るように坂田さんが眠っているというとても倖せなイラストなんですよーv
湯気ゆらの東ジャミー様にいただきましたv
フレーム版をご覧になれる方は是非v
そんな経緯の文なので何となく雰囲気を想像しながら読んでいただけたらありがたいです(他力本願)
調子っぱずれの歌は酷ぇし。
肉の付いてねぇ脚は硬ぇし。
起きるといつも首は痛ぇし。
寝心地のいい条件なんて一つも揃っちゃいない。
なのに一番気を抜ける居心地の良さ。
新八の膝は俺の一番の安心枕だったりする。
子守唄のつもりらしいはな唄に俺が毎回文句をつけると。
「だったら聞かなきゃいいでしょ」
なんて答えが毎回律儀に返ってくる。
そうやって歌が途切れると「そういえば今日ね」なんて新八が他愛のない日常を語り出す。
目を閉じたまま生返事で聞いてたら頭の上から「本当に適当な人ですね」って呆れた声が落ちてきた。
「ははは」
笑って誤魔化したら新八の手の平がぽすんと頭に載せられて。
「なんなんですかね、この人は」
よしよしって、駄目な子慰めるみたいな手の動きには少しばかり思うとこもあるけども。
まあいいかってなるくらい気持ちよかったから黙ってた。
少し笑った気配がして、新八はまた話し出す。
碌な返事をしない俺に優しい声を聞かせてくれる。
男にしては高めの柔らかな音。
布越しの体温を感じながら聞くそれは穏やかな眠りへの導入剤。
「……なぁ」
眠気が混ざって舌が重い。
「何ですか?」
止まった新八の手の平が髪越しに温かくて、意識がゆっくり沈んでいく。
「こうしてっと、新八ン中いるみてぇ」
声聞いて、体温感じて温かくて。
包みこまれる感覚は俺だけが知ってる新八の温度。
「……あんたは口開くと碌な事言いませんね」
「いて」
一回軽く叩かれて。
聞こえる声は説教モードに切り替わったけど、俺の頭は転がり落ちない。
流石、俺の安心枕。
「ちょっと銀さん、聞いてんですか?」
「んー」
聞いてませんよの生返事。
「もー」
バカとかハゲとかマダオとか。
普段だったら涙目モンの言葉の羅列も安心枕で聞いてるだけで子守唄。
ホント、不思議なもんだ。
ただし、新八の声でっていう条件付ではあるけどな。
「銀さん?」
呼ばれた声に返したつもりが声になってない事に気がついた。
どうやらそろそろ限界っぽい。
瞼も口も、もう一ミリだって開けたくねぇ。
「銀さん、寝ちゃったんですか?」
はいはい、勿論寝ちゃってますよ。
だって安心枕、すげー気持ちいいんだもんよ。
俺が完全熟睡体制に入った事を悟った新八の、諦めの溜息が額にかかる。
指が髪をくしゃくしゃと掻き混ぜて「夕飯の準備どうしよう」って呟きがボソリと聞こえた。
目が覚めたらまず足の痺れた新八を介抱してやって。
今日の夕飯は俺が作ってやろうかななんて考えながら眠りにつく。
意識を手放す少し前。
おやすみなさいって聞こえた気がしたのは、多分夢じゃねぇよな。
20111030
20150804 加筆修正&リンク追加
もんぺ