名残を惜しみつつ(だってできるなら一生入っててーじゃん?)いい加減布団から出た俺はベッドに座って。
帰りたくねーけど朝まで居るわけには多分、いかない。
けど新八を一人残すこともしたくなくて、悩みに悩んだ末眠ってから帰るという結論に行き着いた。
子供をあやすみたいにゆっくりと、布団を叩くリズムが新八を眠りへと誘う。
今にも眠ってしまいそうな、緩やかな瞬きを繰り返していた新八が何故かすっと両手を俺に差し出して。
珍しい行動に思わず一拍間が空いちまったけど、そんなんはホントに一瞬の事。
俺は素直に新八の上に身体を倒す。
そうすると伸びた手は俺の首に回って。
「どした?」
息がかかりそうなほど近付いて髪を撫でる。
「起きたら先生、居ないですよね……」
すり、と寄せられた頬は眠りの淵の温かさ。
やべー、すげー連れて帰りてぇ。
「月曜、屋上で待ってっから」
「う……ん」
きゅうって新八の腕が締まって。
「げつよう、び……」
唇が触れて息がかかる。
そっと合わせれば素直に開いた。
ただゆっくりと、眠りを誘うような緩やかな触れ合い。
絡む舌に力は殆ど入ってない。
溶けそうに甘いそれをゆっくりと舐めてやればやがて首にかかっていた力がふっと抜けた。
離れる間際唇に数度軽く、触れて。
そっと掴んで下ろした腕を布団の中にしまってやった。
夢うつつ。
多分起きた新八はこの事は覚えて無いだろう。
それでも俺には十分だった。
穏やかな寝息と緩やかに上下する布団。
きっと明日には元気になってるだろう新八の寝顔を眺めながら。
後一時間くらいは余裕でこうしてそうな自分が容易に想像できる俺なのでした(やっぱ作文)。








俺達の前に立ち塞がるのは志村妙。
唯一にして最大の難関だ。
唯一って……お前ら前途多難じゃないかって?
まぁね、そりゃね、指折り数えたらキリなんかねーよ。
けどよ?新八の寝顔見てたらやっぱ、守りてーなとかさ。
そういう感情がめちゃめちゃ湧いてくるわけよ。
それがあったら乗り越えられる、みたいなね。
気持ちなんてシンプルなもんでさ。
それこそ俺にとって唯一にして最大。
自分がこんな甘ったるい人間だったなんて事、こいつに出会わなかったら一生知ら無かったよな。
例えば。
言ってる事とやってる事の矛盾だったりと、ツッコミ所満載な俺ですけども。
山があるから登るんだっつー格言があるように、俺にしてみればそこに新八が居るからだってことになるわけでね。
突っ込まなきゃセーフなんて危険思想を持ってるわけでもないんでここは一つ、長い目で見守っていただけたらなんて思ってるわけであります。
見守りつつも悪りーけど新八は減るからあんまり見ない方向でこれからもヨロシクネ、なんてカワイコぶってみたりな。
さてと。
名残は尽きねーけど、そろそろ帰っか。
新八の寝顔は穏やかで、眠りも深いように見えるからきっと朝まで大丈夫だろう。
ポケットから携帯を出してメール画面に文字を打ち込む。
シンプルな四文字。
指の甲で新八の温度を確かめながら送信ボタンを押した。
少しして新八の携帯が勉強机で着信を知らせる。
枕元に置いてないとこが新八らし過ぎて。
明日の朝、新八携帯みてくれっかな。
そんな頻繁にメールしねぇから微妙なとこだけど、でもま、朝でも昼でも夜でも。
気付いてくれりゃいいよ、うん。
だってこうやって寝顔見ちまったらさ、やっぱ言いてーじゃん。


“おはよう”ってさ。


20080422 UP







小丸様からの8011「狭いところに隠れる銀新」と18000「新八が眠っている間に何かする坂田」を合体させためっさ強引なリク消化でございます。
私の場合基本的にこれを書こうと思って始めるわけではなく、打ってるうちにこれってあれにできそうじゃね?とこじつけていくので(汗)。
狭いところは「布団」にさせていただきました。
隠れてないですけど(笑)でもなんとなく秘密っぽいじゃないですか(こじ付けだから)。
散々待たせてこんなんかよ!しかも纏めんのかよ!という体たらくではありますが、小丸様に捧げさせていただきたいと思います(一粒で二度美味しい、には程遠くて申し訳ない)。
本当にお待たせいたしました。



はい、というわけでですね。
3Zでございます。
ちょ、坂田代われ、私に看病(坂田看病はしてないですけども)させろコノヤローと思いながら打ってました。
新八の見舞い行きてーなと。
甘さにかかった拍車が止まりませんがどうしたらいいのでしょうか。
もうホント、こんなん読んで皆様楽しいでしょうか、散々待たせたうえに自分だけ楽しくてごめんなさいという気持ちで一杯です。
いきなり布団に入るなんてホント坂田先生は変態だと思いました。
新八君、そんな人やめなさい。
本当は抱き締めて密着していた下半身は大変な事になっていたかもしれませんし、足とかもっそい絡めたりしたかったし、パジャマの裾から手とか入れたかったし(もう止まれ)……まあ色々したかったんですがそういう事始めちゃうと方向性が変わってきちゃうので(笑)坂田先生はひたすら我慢です。
でも先生は新八に触ってるだけで満足というかなりマニアックな面もお持ちなので(限らず、うちの坂田はみんなそうですけど)さほど辛くはなかったと思いますけどね。
ぽやぽやした新八はかわええなぁと悦に入りながら書きました。
お楽しみいただけたら幸いでございます。


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