3Z遊園地2(別3Z)



「僕達周りの人から見たらどんな関係に見えるんですかね」
親子連れやカップルで当たり前のように賑わう遊園地。
本来は教師と生徒である同性の自分達は一体人の目にどのように映るのだろうか。
ほんの少し自信がなくて新八は下を向いた。
「恋人に見えるに決まってんだろ」
できの悪い生徒を叱るみたいな呆れた声がして、銀時の長い指が新八の指を引っ掛ける。
繋がる指先はほんの僅かの照れ隠し。
けれど新八を引く強さは確かなもので。
「あっち、行ってみねぇ?」
指を引き寄せられて、新八はゆっくりと追いついた銀時の隣に並んだ。



「全然人がいないですね」
いかにも人気が無さそうな、というアトラクションは係員が欠伸を懸命に噛み殺しながらぼんやり立っている辺り今日はまだ一度も動かしていないのかもしれない。
「乗ってみる?」
「うーん、そうですね、ちょっと興味あるかも」
年間何人の利用があるのだろうか。
検証してみたくなるような実に微妙なアトラクションに僅かの興味が湧く。
「んじゃ。おにーさん、大人と高校生二名でよろしく」
それは銀時も同じようだった。

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「どだった?」
「……微妙」
「やっぱ思った?」
顔を見合わせて、くすりと笑えば顔が近付く。
額に銀時の吐息が触れて、そのままゆっくりと抱き寄せられた。
「せっ……」
瞬間的に驚いてしまったけれど、慣れ親しんだ体温を拒む気には到底なれなくて。
「普通に公共の場所なんですけど……」
文句を言いつつも大人しく腕に納まった。
少し離れはしたけれど、アトラクションの係員の視界には十分に入る場所。
ましてや自分達は久しぶりの客だ。
かなり印象に残る気がする。
それだけが気になって新八は銀時の胸に凭れてちらりと視線を流した。
案の定係員はこちらを見ていた。
けれど仕事柄なのか性格なのか。
久しぶりの仕事を終えた係員はまた一つ欠伸を噛み殺して興味なさげにそっぽを向いた。
もしかしたらこんな事は日常茶飯事なのかもしれなかった。
「こういう夢を売る場所は、大概の事は許されんだよ」
「だからって……」
「約束は守っから。だからちっとだけ、深呼吸させて」
銀時の手の平がくしゃりと髪を撫でる。
その感触が新八は大好きで。
髪に銀時の口元が埋まるのがわかる。
クン、と銀時の鼻が鳴って、新八の心臓が跳ねた。
胸に顔を埋めると、染み付いた煙草の匂いと銀時の匂いがした。


※微妙なアトラクションは各自脳内で補完お願い致します(笑)