坂田君と志村先生 4(完)
「前にアナルセックスしたがる女がいて、すげー引いたんだけどよ」
銀時は小さく蹲ってしまった志村に覆い被さって、背骨を辿るように唇を滑らせた。
まださらりとした肌は小さく震えている。
ゆっくりと降ろした唇が腰に辿り着いた時、両手を志村の小振りな尻にかけた。
手のひらに納まるような丁度良さが可愛くてたまらない。
尾てい骨を起点にするように親指を滑らせてゆっくりと左右に割り開けばそれと判るほどに志村の身体が硬直する。
「やっ……坂田く、ん……見ないでっ……」
「あんたには、挿れてみたくてたまんねぇ」
震えの伝わる肌の奥の密やかな窄まり。
それは排泄器官だという事を忘れさせるほどに清廉で。
嫌悪感どころか、この小さな穴に自身の欲望を吐き出したい想いが募るばかりだった。
男だとか女だとか。
考える事は無意味なのだと銀時は悟る。
つまるところ大切なのは「誰」を抱くか、という事で。
志村の身体の中に入りたいと本能が訴えるのを止められない、それが事実だった。
殆どすすり泣きに近い状態で腕の中に顔を埋めている志村の背中を一度強く吸い上げて、丸まってしまった身体をひっくり返した。
「やだ……」
見られたくないのか志村は必死に顔の前で腕を交差させる。
それはそのままにしてやって、銀時は志村の脚を掬い上げた。
陽の光を浴びない腿の裏側は気持ち良さそうなくらいすべらかだ。
片手をベッドについて自分の身体を支えると志村の片足が腕に引っかかりあがったままになる。
支えをなくしたもう片側は力なく元に戻ろうとする。
片足だけを大きくあげてしどけなく開かれた身体は酷く扇情的で。
銀時は二人の間で勃ちあがっている欲望を、開いた片手で重ねて握り込んだ。
「あっ……ん……」
先端から溢れる互いの体液を指の腹で器用に塗りこんでやると志村の身体が小さく跳ねる。
片手で自分の身体、もう片方で互いの欲望を固定して銀時はゆっくりと動き出した。
欲に塗れた互いのものは銀時の手のひらの中でヌメリをかりて淫猥に滑る。
銀時の手に固定されたまま、銀時のものだけが裏側を擦り付けるように動く感触に志村が身悶えた。
「あぁっ、やっ……だ、め……んっ、あっ、やっ」
顔を隠していた志村の腕はいつの間にか外されて、縋るように枕の端を掴んでいて。
嫌がるように首を振るたびに黒髪が綺麗に白い布に散った。
銀時は満足気にその姿を視界に納めると追い込むために動きを激しくする。
「だめっ、坂田く……あっ、あっ、やっ……イッちゃ……は、んっ、あぁぁっ」
志村の欲望が手の中でドクリと脈打って弾ける。
「んっ……」
それに感じて銀時も己の欲を放った。
銀時の下で大きく上下する薄い胸。
そこに散った二人分の精液が脇のほうへとろりと流れ落ちていく。
白濁の中に鮮やかに咲く桃色は誘うように淫らで。
銀時は指の腹で液を塗りこむようにゆっくりと捏ねてやった。
「やっ……あぁっ」
感じやすい身体は容易に跳ねて銀時を楽しませる。
「あんた、すげー綺麗だ」
言い聞かせるように告げてやれば黒い瞳が綺麗に潤む。
「……坂田君」
顎と頬に散った液をそろりと舐め取る。
そのまま舌を口元に持っていけば唇が震えて開いて。
控えめな舌がそっと絡みついた。
迎えられた口内を息も奪うほどに舐め尽して。
銀時はこの甘い身体に溺れていく自分を感じていた。
終