溺れる
なあ新八。
ちったぁ抵抗させてくれよ。
お前がそんなんだから
俺はずぶずぶずぶずぶどこまでも
底のない居心地のよさに沈んでくしかないわけで。
なんてーか。
これじゃ万事屋一家心中間違い無くネ?
「銀さん、ご飯できましたよ……銀さんってば!」
俺を引き上げようと手首を掴む手の平が熱い。
「ちょっと、自分で、起きて、下さい、よ……もうっ」
脱力した俺の上半身を起こすのに新八がもう片方の手も添える。
熱い両手に引き起こされて
俺の上半身はゆっくりとソファの上に起き上がった。
そうだった。
抵抗させてはくれないけども。
沈む俺達を引き上げてくれるのも……やっぱ新八なんだよな。
ああ万事屋は安泰だ。
片手で新八の手首を掴んで引っ張ると
よろけながら脚の間に膝を付く。
「何すんですか、もー」
「うん」
そのままぎゅって抱き締めて。
「……具合、悪いんですか?」
耳元の、心配そうな声。
それだけのことが
すげぇすげぇ倖せで。
「んー、銀さんちょっとね、泣きそうなのよ」
緩やかな肩口に深く深く顔を埋めた。
終