名前は知らない



名前は知らない。
でもそれは時々やってきて、僕をぎゅうっと押し潰す。
銀さんを見てると不意に泣きたくなって、唇を堅く引き結ぶ。
名前を呼ばれると、返す声が少し震える。
見つからないように、僕は夜に息を潜める。
隣に眠る銀さんの穏やかな寝息を聞きながら、この感情に目を凝らす。
目を閉じたら呑まれてしまうから。
胸の奥にある感情が、夜の闇に溶けますようにと願ってみる。
届いてしまったら怖いから。
銀さんが、僕を見たら怖いから。
気持ちの名前は知りたくない。
だから、知ってしまう前に。
どうか優しいこの闇に、溶けてなくなってしまいますように。





まだ銀新が生まれる前。
夜に包まれる安心感というか。
怯えてる新八も可愛いかなと思って。
坂田みたいな男に感情を向けられるのはとても怖い事だと思います。